2022.09.06
年少
自然
セミちゃんが…(年少)
2022年 9月
二学期が始まってからも、
セミの鳴き声はまだまだ聞こえています。
朝、一匹のセミが、
階段に横たわっていました。
場所は、年少さんが登園時に必ず通る階段。
しかし、教室に登園してきた子の手は、
みんな空っぽ。
(あれ?セミに気付かなかったのかしら?)と
思っていると、一人の女の子が、
「セミちゃん しんどった」とポツリ。
セミを「ちゃん」付けで、呼んであげるところに、
なんとも言えないほどの愛情を感じながら、
「あら、そうなの……
お部屋に持ってくればよかったのに…」と言うと、
「こわかったけ……」と。
「じゃあ、先生が持って来るから一緒に見ようか…」
と言うと、「うん」と目を輝かせました。
動かなくなったセミを
ティッシュに乗せてみました。
ダンゴムシやバッタ、カブトムシと違って、
なかなか手元で見ることのできないセミ。
強い好奇心で、身を乗り出して観察を始めました。
死んで動かないことで、怖さは半減した様子。
次々に、手にとってセミを見ていました。
ふと、羽を触った拍子に、
大きな羽の下から、小さな羽が見えました。
子どもたち、びっくり仰天!!
「え~?! また羽がある!」
「わかった!!それでバタバタ飛ぶんじゃない❓」
とても興奮気味に、両手をばたばたしながら、
教室を走り始めた男の子(笑)。
思いがけない発見に、心臓がバクバクしている様子でした。
別の子が、本棚から重たい図鑑を持ってきて、
「図鑑で調べてみよ!!」とも。
(セミのページなんて、探し当てられるのかしら?)
と見ていると、数秒のうちに、
「あった!」と、セミのページを開き、
死んだセミと、図鑑のセミとを、見比べていました。
初めて手元で見たセミ。
「目がかわいい」「ここがおしりじゃろう」…
などなど、見たこと感じたことを
一生懸命に、言葉にしている姿がありました。
そのあとも、
教室にあったかごに そのセミを入れ、
大切に持ち歩いていました。
そして、次々に友だちにも見せ、
初めての『セミの観察』が続きました。
死んだセミではありましたが、
初めて間近で目にし、手に触れ、
新しい発見と驚きに興奮した年少さんでした。